朝 目が覚めると
何故か泣いている
そういうことが 時々ある
見ていたはずの夢は いつも思い出せない
ただ
ただ
何かが消えてしまうという感覚だけが
目覚めてからも 長く残る
ずっと何かを 誰かを 探している
そいう気持ちに取り憑かれたのは
多分あの日から
あの日 星が降った日
それはまるで
まるで 夢の景色のように
ただひたすらに
美しい眺めだった
♪ あぁ このまま僕たちの声が ♪
君 の 名 は。
♪ 世界の端っこまで消えることなく ♪
♪ 届いたりしたらいいのにな ♪
♪ そしたらねぇ 二人で ♪
♪ どんな言葉を放とう ♪
♪ 消えることない約束を ♪
♪ 二人で 「せーの」で 言おう ♪
♪ あぁ 「願ったらなにがしかが叶う」 ♪
♪ その言葉の眼を もう見れなくなったのは ♪
♪ 一体いつからだろうか なにゆえだろうか ♪
♪ あぁ 雨の止むまさにその切れ間と ♪
♪ 虹の出発点 終点と ♪
♪ この命果てる場所に 何かがあるって ♪
♪ いつも言い張っていた ♪
♪ いつか行こう 全生命も未到 未開拓 ♪
♪ の感情にハイタッチして 時間にキスを ♪
♪ 5次元にからかわれて ♪
♪ それでも君をみるよ ♪
♪ また「はじめまして」の合図を 決めよう ♪
♪ 君の名を 今追いかけるよ ♪
タキくん タキくん
覚えて、ない?
名前は
ミツハ!
お姉ちゃん 何しとるの?
いや すげえ本物っポイなあって
え?お姉ちゃん?
何 寝ボケとるの
ご·は·ん!
はよ来ない!
おばあちゃん 昨日のお魚出す?
あんたが食べや
おはよ おはよう
お姉ちゃん おーそーいー!
明日は私が作るでね
食べすぎかな?
ま いっか
今日は普通やな
昨日はヤバかったもんな
え ちょっと なに
皆様 おはよございます
町役場から 朝のお知らせです
来月二十日に行われる 糸守町町長選挙について
町の選挙…
1200年に一度という彗星の来訪が いよいよ一月後に迫っています
彗星は数日間にわたって 肉眼でも観測できると見られており
いい加減仲直りしないよ
世紀の天体ショーを目前に
大人の問題
JAXAをはじめとした世界中の研究機関は観測のための準備に追われています
いってきまーす
それで おばあちゃんたらな お米屋さんのお兄ちゃん…
三葉
おはよう サヤちん テッシー
おはよう
お前早く降りろ
いいにん ケチ
重いんやさ
失礼やな
あんたたち 仲良いなあ
よくねえわ(よくないわ)
三葉 今日は髪ちゃんとしとるね
え 何
そうや ちゃんと祖母ちゃんにお祓いしてもらったんか
オハライ?
ありゃ絶対狐憑きやぜ
何でもオカルトにしんの
きっと三葉はストレスたまっとるんよ
なあ
え ちょ ちょっと 何の話?
何って お前
そしてなによにも 集落再生事業の継続
そのための町の財政健全化 それが実現して初めて
安全 安心な町作りができるのです
現職として
ここまで進めさせていただいてきたまち作りを完遂させたい
どうせ今期も宮水さんで決まりやろ
だいぶ撒いとるしなあ ここだけの話
更なる磨きをかけたい
そして新たな情熱でこの地を導き
おう 宮水
おはよう
子供からお年寄りまで 誰もが安心して活き活きと活躍できる町作りを完遂させていただきたい
町長と土建屋は その子供も仲ええなあ
いややわ
三葉!
胸張って歩かんか!
身内も厳しいなあ
さすが町長やわ
恥ずかしい
ちょっとかわいそう
三葉
こんな時ばっかり
「誰そ彼」 これが「黄昏時」の語源ね
黄昏時は分かるでしょう?
夕方 昼でも夜でもない時間
世界の輪郭がほやけて 人ならざるものに出会うかもしれない時間
「誰そ彼とわれをな問ひそ、九月の露に濡れつつ、君待つわれそ」
もっと古くは 「彼誰そ時」とか
「彼は誰れ時」とか言ったそうです
しつもーん
「カタワレ時」やなって
「カタワレ時」?
それはこの辺りの方言じゃない?
糸守のお年寄りには万葉言葉が残ってるって聞くし
ど田舎やもんなあ
じゃあ 次 宮水さん
あ はい
あら 今日自分の名前 覚えてるのね
覚えとらんの?
うん
あんただって 昨日は自分の机もロッカーも忘れたって言って
髪は寝癖ついとったし リボンはしとらんかったし
うそ ホント!?
なんか 記憶喪失みたいやったよ
そういえば ずっと変な夢を見とったような気がするんやけど
なんか 別の人生の 夢
よく覚えとらんなあ
分かった それって
前世の記憶
もしくはエヴェれットの解釈に基づくマルチバースに
無意識が接続したちゅう…
あんたは黙っとって
あ テッシー もしかしてあんたが私のノートに…
何でもない
でも三葉 昨日はマジでちょっとヘンやったよ
どっか体調悪いんやない
おかしいなあ
元気やけどなあ
ストレスとかやない
ほら 例の儀式ももうすぐやろ
ああ 言わんといて
もう私この町いやや
狭すぎるし濃すぎるし
さっさと卒業して早く東京行きたいわ
まあなあ ホントに何もないもんなあこの町
電車なんか二時間に一本やし
コンビニは九時に閉まるし
本屋ないし 歯医者ないしな
そのくせにスナックは二軒あるし
雇用はないし
嫁は来ないし
日照時間は短いし
お前らなあ
なによ
そんなことより カフェにでも寄ってかんか
カフェ?できたの?
どこ!?
こんにちは
こんにちは
なにやカフェやさ
この町にそんなんあるか?
三葉帰っちゃったやろ
あの子もホント大変やよね
まあ 三葉は主役やからな
せやな
ねえ テッシー
うん?
よしよし
高校卒業したらどうするの?
何やさ急に 将来とかの話?
うん
別に 普通にずっと この町で暮らしてくんやと思うよ 俺は
私もそっちがいいわぁ
四葉にはまだ早いわ
糸の声を聞いてない
そうやってずーっと糸を巻いとるとな
じきにひと糸との間に感情が流れだすで
糸はしゃべらもん
集中しろってことやよ
ワシらの組紐にはな
糸守千年の歴史が刻まれとる
ええか さかのぼること200年前
始まった
草履屋の山崎繭五郎の風呂場から火が出て
この辺は丸焼けとなってまった
お宮も古文書もまな焼け
これが俗に言う
繭五郎の大火
うむ
え 名前ついとるの!?
繭五郎さんかわいそう
おかげで 祭りの意味も分からんくなってまって
残ったのは形だけ
せやけど 文字は消えても 伝統は消えちゃあいかん
それがワシら宮水神社の大切なお役目
せやのに あのバカ息子は
神職を捨て
家を出ていくだけじゃ飽き足らんと
政治とはどもならん
社長 ほら もう一杯
今回も社長にはお世話になるで
任しといで下さい
門上と坂上辺りの票は間違いなあですわ
お前 あの子とどう?
んな簡単にいかん
腐敗の匂いがするなあ
何言っとるの
おい もう二三本つけとくれ
はいはい
克彦 週末は現場手伝え
ハッパ使うでな 勉強や
うん
返事は
あぁ
ありゃ四葉ちゃんか
大きゅうなったな
二人ともお母さん似のベッピンさんやな
よう
よう
世界最古の酒なんやって
米を嚙んで 吐き出して放置しとくだけで
自然発酵して アルコールなるやさあ
口嚙み酒
神様は嬉しいかなあ あんなお酒もらって
そりゃ嬉しいやろう
ほれ みてみい 宮水や
お姉ちゃん 元気だしないよ
いいにん 学校の人に見られたくらい
思春期前のお子様は気楽でええよな
そうや いっそ口嚙み酒をいっぱい造ってさ
東京行きの資金にしたら
あんたって すっごい発想するな
生写真とメイキング動画とかつけてさ
巫女の口嚙み酒って名前とかつけてさ
きっと売れるさ
ターメ 酒税法違反!
そういう問題なん?
もうこんな町いやや
こんな人生いやや
来世は東京のイケメン男子にして下さい
いたっ
瀧 起きたか
お前 今日メシ当番だっただろう?
寝坊しやがって
す すみません
俺 先に出るからな
味噌汁 飲んじゃっといてくれ
うん
遅行でも 学校はちゃんと行けよ
じゃあな
行ってらっしゃい
これどこで買ったの
代官山の…
次のライブの前座でさ…
ライブ
ねえ今日部活サボってさあ 映画見てない?
たーき
まさか昼からとはね
メシ行こうぜ
メール無視しやがって
ツカサ 君?
くん付け?
反省の表明?
迷ったぁ?
うん
お前さあ どうやったら通学で道に迷えんだよ?
えっと
ワタシ
ワタシ?
わたくし?
ぼく?
おれ?
俺 楽しかったんやよ
なんか毎日お祭りみたい 東京って
なんか お前なまってない
瀧 弁当は
まったく
寝坊ボケてんのか
なんかあるか
卵コロッケンドにしようぜ
おし
ありがとう
放課後 カフェ行かね
あぁ 例の いいね
瀧は
カフェぇぇ?
天井の木組みがいいね
ああ 手がかかってんなあ
たーき 決まった
こ このパンケーキ代で 俺一ヶ月は暮らせる
いつの時代のヒトだよ お前は
ま いいか 夢やし
どうしよう
俺バイト遅刻だって
お前のシフト 今日か
早く行ったら
うん
あ あっ あの
俺のバイト先って どこやっけ
6番 7番 10番様オーダー待ちです
12番テーブル 瀧
はい
お待たせいたしました
えっと ズッキーニとトマトのサラダと
頼んでませんけど
瀧 トリュフは品切れだって言ったろう!?
瀧 声が小せえよ
瀧
この夢いつ覚めるんやさ
ちょっと ちょっとお兄さん
あ はい
ピザにさ 楊枝が入ってたんだけど
これ 食っちゃったら危ないよね
俺が気づいたから良かったけどさあ
どうすんの
あっ えっとあの
でも イタリアンの厨房で楊枝が入るなんてこと…
お客様
どうかなさいましたか
ここはいいから
お前 今日おかしいぞ
大変失礼いたしました
お代は結構ですので
そう
お怪我はございませんでしたか
あの
奥寺さん
先輩だろう
奥寺先輩
さっきは
今日は災難だったね
いえ あの
あいつら絶対言いがかりだよ
マニュアル通り タダにしてやったけどさ
奥寺さん そのスカート
大丈夫ですか
おい どうした
切られてるみたい
わ ひでえな
あいつら
どうしましょう
顔 覚えてるか
いや
先輩 ちょっと
おい 瀧
スカート 脱いでください
む…向こう向いてますから
できました
瀧君凄い
前よりもかわいい
今日は助けていただいて ありがとうございました
ホントはさ 今日 ちょっと心配だったのよ
瀧君弱いくせに 喧嘩っぱやいから
今日の君の方がいいよ
女子力高いんだねえ 瀧君て
この子日記つけとる
マメやなあ
いいなあ 東京生活
な
な
何だ これ
今日もカフェ行かね
あ 悪い 俺 今日これからバイト
行き先は分かるのか
司 もしかしてお前か?
俺の携帯に勝手に
あ やっぱいいや じゃあな
あいつ 今日は普通だな
昨日はなんか かわいいかった
な なんすか
てめえ瀧 抜けがけしやがって
昨日お前ら一緒に帰っただろ
まさかマジで!?
奥寺先輩と?
あれからどうなった!?
えっ あ あの よく覚えてないすよ 俺
ふざけんあよコラ
奧寺入りまーす
お疲れ様ー
ちわっす!
今日もよろしくね
ね たーきくん
お姉ちゃん 今日はおっぱい触っとらんにん?
ご·は·ん!はよ来ない!
おっぱい!?
おはよー
なんか性格変わってね
昨日かっこよかったよな
ちょっと見直したわ
な なんか視線を感じるんやけど
昨日のアレは目立ったもんなあ
ポスター見た?
町長選の
誰がやったって同じや
助成金をどう配るかだけやろ
そのおかげで生活できる子もおるんやで
あれって 私のことだよね?
ちょ 三葉!
これって
これってもしかして
これってもしかしてホントに
私 夢の中であの男の子と
俺は 夢の中のあの女と
入れ替わっとる?/入れ替わってる?
♪ やっと眼を 覚ましたかい ♪
♪ それなのになぜ眼も合わせやしないんだい? ♪
♪ 『遅いよ』と怒る君 ♪
♪ これでもやれるだけ飛ばしてきたんだよ ♪
何が起きているのか だんだん分かってきた
♪ 心が身体を追い越してきたんだよ ♪
瀧君は東京に住む同じ歳の高校生で
♪ どっから話すかな ♪
ド田舎らしの三葉との入れ替わりは不定期で
週に二、三度 ふいに訪れる
♪ 君が眠っていた間のストーリー ♪
トリガーは眠ること 原因は不明
♪ 何億 何光年分の物語を語りにきたんだよ ♪
入れ替わっていた時の記憶は
目覚めるとすぐに不鮮明になってしまう
それでも 俺たちは確かに入れ替わっている
周囲の反応がそれを証明している
♪ けどいざその姿この眼に映すと ♪
だから
だから 私たちはお互いの生活を守るのため
♪ 君の髪や瞳だけで胸が痛いよ ♪
ルールを決めた
入れ替わってしまっている時の注意点
♪ 同じ時を吸いこんで離したくないよ ♪
守るべき禁止事項
それから 入れ替わった日の出来事を 携帯に残す事
♪ 遥か昔から知る その声に ♪
この謎現象をとにかくも乗り切るために
協力し合うこと
♪ 生まれてはじめて 何を言えばいい? ♪
それなのに
それなのに
あの男は!! あの女は!!
♪ 君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ ♪
♪ そのぶきっちょな笑い方をめがけて やってきたんだよ ♪
♪ 君が全然全部なくなって チリヂリになったって ♪
♪ もう迷わない また1から探しはじめるさ ♪
男子の視線
スカート注意
人生の基本でしょう
♪ むしろ0から また宇宙をはじめてみようか ♪
人の金を無駄遣いすんな
食べてるのは君の体
私だってバイトしてるし
組紐とか これ無理だろう
あなたバイト入れすぎ
お前の無駄遣いのせいだろう
♪ 私たち越えれるかな この先の未来数え切れぬ困難を ♪
♪ 言ったろう? 二人なら ♪
♪ 笑って返り討ちにきっとできるさ ♪
♪ 君以外の武器は他にはいらないんだ ♪
今日は帰り道に 奥寺先輩とお茶
君たちの仲は順調だよ
てめえ 三葉
♪ 前前前世から僕は 君を探しはじめたよ ♪
俺の人間関係変えるなよ
ちょっと 瀧君
♪ もう迷わない 君のハートに旗を立てるよ ♪
何で女子に告白されてんの
お前 俺に人生預けたほうがモテるんじゃね?
♪ 君は僕から諦め方を 奪い取ったの ♪
うぬぼれといでよね
彼女もおらんくせに
お前だっていねえじゃねえか
私は
俺は
いないんじゃなくて 作らないの
ホントに自分のおっぱい好きやな
い·く·よ!
はよ準備しない!
数日前から 肉眼でも見え始めた
ティアマト彗星
いつ どこに見えるんでしょうか
ティアマト彗星は 太陽を追うようにして東から西の空に移動して見えています
ですから日没直後…
何で制服着とんの
おばあちゃん 何でうちのご神体はこんなに遠いの?
繭五郎のせいで ワシにも分からん
誰だっけ
え?有名やよ?
三葉 四葉 「ムスビ」って知っとるか
「ムスビ」?
土地の氏神様をな 古い言葉で「產靈」って呼ぶんやさ
この言葉には 深い意味がある
糸を繋げることも「ムスビ」
人を繋げることも「ムスビ」
時間が流れることも「ムスビ」
全部神様の力や
ワシらの作る組紐もせやから 神様の技
時間の流れるそのもの 表しとる
よりあつまって形を作る
捻れて絡まって 時には戻って 途切れ
またつながり
それが「ムスビ」 それが「時間」
飲みない
ありがとう
次私も
それも「結」
水でも 米でも 酒でも
人の体に入ったもんが 魂と結びつくこともまた「ムスビ」
だから今日のご奉納は 神様と人間を繋ぐための大切なしきたりなんやよ
見えたよ
ここが 宮水神社のご神体
ここから先は カクリヨ
「あの世」のことやわ
あの世やあ
此岸に戻るには
あんたらの一等大切なものもんを引き換えにせにゃいかんよ
口嚙み酒やさ
口嚙み酒
ご神体にお供えするんやさ
それはあんたらの半分やからなあ
三葉の半分
そうや 彗星見えるかな
彗星?
おや
三葉 あんた今 夢を見とるなあ
奥寺先輩?何のこと?
まさか また三葉が
デートォ!?
明日は 奥寺先輩と東京デート
駅前待ち合わせ 10時半
…のはつやったのになあ
たーきくん
ごめん 待った?
あ はい あ、いや あ、あの えっと
今 来たとこっす
よかった
行こうか
いいなあ
今頃二人は一緒か
あれ
凄い私が行きたいデートやけど
もし不本意に瀧君になっちゃったしたら
ありがたく 楽しんでくること!
私 このカフェ 初めて来たよ
とは言え
どうせ君はデートなんてしたことないでしょうから
会話が 全然続かねえ
だから以下
奥手な君をための厳選リンク集
え マジか
馬鹿にしやがって
あの 先輩
腹減りませんか
晩飯とか
今日は解散にしようか
はい
瀧君って
違ってたらごめんね
はい
君は昔 私のことがちょっと好きだったでしょう
そして今は 別の好きな子がいるでしょう
い いませんよ!
ホント?
いないっす
全然違います
ホントかなあ?
ま いいや 今日はありがとう
またバイトでね
デートが終わる頃には
ちょうど空に彗星が見えるね
何言ってんだ こいつ
なんーだ テッシーか
ううん 何となくサボってまただけ
元気やよ
お祭り?
あ そっか 彗星 今日が一番明るく見えるんやっけ
分かった 後でね
あんたさ 三葉の浴衣 期待しといるやろう
し しとらんわ
ってか 考えませんかったわ
なんかあいつ 声暗かったぜ
なんたの電話が嫌やったんやろう
お前なあ
お待たせ
まあ 来た
おせぇよ
お前 か か か
ちょっと どしたの 三葉
髪が
ヤッパ 変かなあ
やっぱ男関係なんかな
失恋とか
男子って すぐ恋愛に結びつけるなあ
何となく 切っただけやって言っとったにん
そうかあ
何となくあんなの切らんやろ
なあなあ 見えるよ
おかけになった電話は 電波の届かない場所にいらっしゃるか 電源に入…
散々だったデートの結果は
次に入れ替わった時に伝えればいい
そう思った
でも何故か もう二度と
俺と三葉の入れ替わりは起きなかった
な 何で
こんなとこにいるんすんか
司君に聞いて 来ちゃった
司 てめえ
俺が頼んだのは親へのアリバイとバイトのシフトだろ
バイトは高木に頼んだ
まーかせとけ
でも メシおごれよ
どいつもこいつも
お前が心配で来たんだよ
放っておけないだろう
美人局とか出てきたらどうすんだ
ツツモタセ?
瀧君 メル友に会いに行くんだって?
いや メル友っていうか それは方便で…
ぶっちゃけ 出会い系かと
ちげえよ
お前 最近やけに危なっかしいからな
離れて見ててやろから
俺は小学生か
入れ替わりが途切れ
電話は通じず
メールも届かず
だから俺は直接 三葉に会いに行くことにした
あいつに会いてみたかった
でも
はあ 詳しい場所は分からない
手掛かりは町の風景だけ
はい
その子との連絡も取れない
何なのよそれ?
まったく 呆れた幹事だな
幹事じゃねえ
まあいいわ 一緒に探してあげるわよ
可愛い 見てみて
可愛いすね
邪魔だなあ
あ 動いた
やっぱ無理か
私たちの努力はどうなるの
何にもやってないじゃん
高山ラーメン一つと
高山ラーメン一つと
あ じゃあ 高山ラーメン一つ
はい
ラーメン三丁
はいよ
今日中に 東京に戻れるかな
まあ ギリギリかもな
調べるか
サンキュ
瀧君 それでいいの
なんか全然 見当違いのことをしているような気がしてきて
おや お兄ちゃん それイトモリやろ
よく描けとるわあ
なあ あんた
ああ イトモリやな
懐かしいなあ
この人 イトモリ出身やで
イトモリ…
そうだ 糸守町
そうです この近くですよね
あんた
糸守ってのは
糸守
まさか
もしかして あの彗星の?
ホントにこの場所なの?
まさか
だから 瀧の勘違いっすよ
違う
間違いない
この校庭
周りの山
この高校だって はっきり覚えてる
そんなわけねえだろう
3年前に 何百人も死んだあの災害
瀧だって覚えてるだろう?
死んだ?
3年前に 死んだ?
まさか
だって あいつの書いたメモだってちゃんと
1200年周期で太陽を回るティアマト彗星が
地球に再接近したのが 3年前の10月
近地点でその核が砕けるのを 誰も予想できなかった
割れた彗星の一部は隕石となって 日本に落下
その日は ちょうど秋祭りの日だったみたい
落地点はここ
8時42分 祭りで人が集まっている場所に ちょうど落ちたんだ
町の3分の1
500以上が亡くなって
今はもう 糸守には誰も住んでいないそうだ
この子なの?
絶対何かの間違いだよ!
だってこの人 3年前に亡くなってるのよ
つい二 三週間か前に 彗星が見えるねって こいつは俺に言ったんです
だから
あんた今
俺は…
夢を見とるなあ
俺は
何を
にぎやかだね
ひと部屋しか取るなって すみません
ううん 全然
瀧君は?
まだ部屋で糸守の記事を読んでます
当時の新聞とか 雑誌とか
手当たり次第って感じで
なに
ああいや 吸うんですね
止めてたんだけどね
どう思います? あいつの話
好きだったんだ 私
ここ最近の瀧君
前からいい子だっだけど
最近は特に
なんか 必死で 可愛くって
瀧君の言ってることは やっぱりおかしとは思いけど
でもきっと 瀧君は誰かに出会いって
その子が瀧君を変えたのよ
それだけは 確かないじゃないかな
全部 ただの夢で
景色に見覚えがあったのは
3年前のニュースを無意識に覚えていたから
そうじゃないければ
幽霊?
いや 全部 俺の 妄想?
あいつの名前
何だっけ?
司君 お風呂行ってくるって
先輩 あの 俺
なんか おかしなことばっかり言ってて
今日一日 すみません
…ううん
組紐だね 綺麗
瀧君のそれも
もしかして組紐?
これは 確か ずっと前に 人からもらって
何となく お守り代わりに 時々つけてて
誰から?
お風呂 瀧君も入ってきたら?
はい…いえ
俺
組紐を作る人に前に聞いたことがあるんです
紐は時間の流れそのものだって
捻れたり 絡まったリ 戻ったり つながったり
それが時間だって
あの場所なら
弁当 上に食べや
あんたの描いた糸守 あらあ良かった
よりあつまって形を作るって
捻れて絡まって
時には戻って またつながって
それが「ムスビ」 それが「時間」
俺たちが 運んできた酒だ
こっちが妹で こっちが俺
彗星が落ちる前
3年前のあいつと 俺は入れ替わってたってことか?
時間が ズレてた
あいつの半分
「ムスビ」
ホントに 時間が戻るのなら
もう一度だけ…
二人は 父さんの宝物だ
あなた お姉ちゃんになったんやよ
ごめんね みんな
お父さん お母さん いつ帰ってくる?
救えなかった
あんたがそんなんでどうする
神社など続けたところで
婿養子が何を言う
僕が愛したのは二葉です 宮水神社じゃない
出ていけ
三葉 四葉
今日からずっとばあちゃんと一緒やでな
お前は誰たって あなたこそ誰よ
うぬぼれといてよね 彼女もおらんくせに
いいなあ 今頃二人は一緒か
私
ちょっと東京行ってくる
ちょっと お姉ちゃん?
おばあちゃん お願いがあるんやけど
そっか 彗星
今日が 一番明るく見えるんやっけ
三葉 そこにいちゃ駄目だ
三葉 彗星が落ちる前に 町から逃げるんだ
三葉 逃げろ
三葉 三葉 三葉
お姉ちゃん またおっぱい…
妹だ
四葉
お姉ちゃん いよいよヤバイわ
私今日 一人で先に行出るで
ヤバイ ヤバイ ヤバイヤバイ ヤバイよ ヤバイ
一週間ほど前から肉眼でも見えはじめたティアマト彗星
いよいよ今夜7時40分頃に地球に再接近し
最も明るく輝くとみられています
今夜 まだ間に合う
遂にビークを迎えた千二百年に一度の天体ショー
おはよう三葉
おや
あんた 三葉やないな?
おばあちゃん 知ってたの
いやあ でもここんところのお前を見とったら
思い出したわ
ワシも少女の頃 不思議な夢を見とった覚えがある
夢で誰になっとったんか
今ではもう 記憶は消えてまったが
消える
大事にしないよ
夢は 目覚めればい つか消える
ワシにも あんたのかあさんにも そんな時期があったで
もしかしたら 宮水の人達のその夢って
全部今日のためにあったのかもしれない
ねえおばちゃん 聞いて
今夜 糸守町に彗星が落ちて みんな死ぬ
そんなこと誰も信じないって 意外に普通のこと言うばあちゃんだな
絕對に 死なせるもんか
ちょっと どうしたの三葉
お前 かかか 髪が
ああ これ?前のほうがよかったよね?
…軽いな
そんなことより このままだと今夜 みんな死ぬ!
だから 私たちで
早耶香ちゃん 学校は?
ちょっと 町を救わないかんくて
防災無線?
ああ 町中にスビーカーがあるやろ
そっか 使える
凄いじゃん テッシー
お お前 あんまりくっつくなや
なに 照れてんの?おらおら
ちょ やめろって
嫁入り前の娘が
あんた いい奴だなあ
買ってきたよ はい おつり
ごめんね サヤちん
いいんやけどさ
しょっぱいギャラやなあ
うるっさいなあ
で?そっちはどうなん?避難計画とやら でけたん?
ば 爆弾!?
あ 含水爆薬っちゅう 土木用のがうちの資材置き場にあるで
電波ジャック!?
こんな田舎の防災無線は 起動用の周波数を使やあ 簡単に乗ってるでな
だから 学校の放送室から 町中に避難指示を流せる
このあたりは被害範囲の外だから 避難場所もここの校庭にすればいい
か 完璧犯罪や
放送はサヤちん担当ね
何でよ!?
お前 放送部やし
俺が 爆薬担当で
私は 町長に会いに行く
最後は役場に出てもらわんと 町民全てはさすがに動かせん
娘の私から ちゃんと話せばきっと説得できる
完璧な作戦や
まあ 別に何でもいいんやけど
どうせ もしもの妄想やろ
いやあ…
そうとも限らんさ
糸守湖がどうやってできたか知っとるか?
隕石湖や
千年前少なくとも一度はこの場所には隕石が落ちたんや
そうだ だから
そうだよ テッシー
やろうぜ 俺達で
何を言ってるんだ?お前は?
だからっ 夜までに町民全体を避難させないと みんなが
すこし黙れ
彗星が2つに割れて町に落ちる?
500人以上が死ぬだと?
よくもそんな戯れ言を俺の前で
本気に言っているなら お前は病気だ
妄言は宮水の血筋か
車を出してやるから 市内の病院で医者に診てもらえ
その後なら もう一度話を聞いてやる
ば…
馬鹿にしやがって
じゃ 後でお祭りでな バイバイ
神社の下で待ち合わせな
遅れんなよ
バイバイ
またな
後でな
行っちゃ駄目だ
町から逃げて 友達も伝えて
なんや あんた
お姉ちゃん
なんなんやさ
なあ 行こう
ちょっと何しとるの
三葉なら 三葉なら 說得できたのか
俺ちゃ駄目なのか
四葉 夕方までにおばあちゃんと一緒に町から出て
ここにいちゃ死んじゃうんだよ
ちょっとなに言っとんの
昨日は急に東京に行ってまうし
なんか お姉ちゃん 変やよ
東京
おい 三葉
親父さんとの話 どうやった
三葉
お姉ちゃんどうした?
さあ
そこにいるのか
あっち なんかあるの?
テッシー 自転車貸して
ちょっと
ちょ…
おい 三葉
作戦は?
計画準備しといてくれ
頼む!
私 ちょっと東京 行ってくる
今から?なんで?
デート!
お姉ちゃん 東京に彼氏おったの?
私のデートやなくて
夜には帰るから
急に訪ねたら
迷惑かな
驚くかな
瀧君は いやがるかな
おかけになった電話は 電波の届かない場所にいらっしゃるか
…会えっこない
でも もし会えたら
どうしよう
やっぱり迷惑かな?気まずいかな?
それとも もしかしたら
少し 喜ぶんかな
おかけになった電話は 電波の届かない場所にいらっしゃるか
会えっこ…ない
でも 確かなことが 1つだけある
私もしは 会えば絶対 すぐに分かる
私に入っていたのは 君なんっだって
君に入っていたのは 私なんっだって
ごめんなさい
危ないですから 黄色線までお下がりください
3年前のあの時
まだ 俺はお前を知る前
次は四ツ谷 四ツ谷 お出口は右側です
瀧君
瀧君
瀧君
あの 私…
覚えて ない?
誰?お前
三葉
いるんだろ?俺の体の中に
瀧君
瀧君 どこ
三葉だ
声が聞こえなのに
瀧君 ねえ どこにいるの
瀧君
瀧君
瀧君 瀧君がいる
瀧君
お前に会いに来たんだ
大変だったよ お前すげえ遠くにいるから
でも どうやって…
私 あの時…
三葉の口嚙み酒を 飲んだんだ
あれを 飲んだ!?
バカ ヘンタイ
そうだ それにあんた 私の胸触ったやろ
どど どうしてそれを
四葉が見とったんやからね
ごめん すまん つい…1回だけだって
1回だけ?
何回でも同じや アホ
すまん
これ
お前さあ 知り会う前に会いに来るんなよ
分かるわけねえだろ
ほら
三年 俺が持っってた
今度は 三葉が持ってて
うん
どうかな
悪くないな
思ってないでしょ
いや すまん
ホント この男は
三葉 まだやることがある
聞いて
来た
大丈夫 まだきっと間に合う
うん やってみる
カタワレ時が もう
終わる
三葉
目が覚めても忘れないようにさ
言おうと思ったんだ
お前が世界のどこにいても
俺が必ず もう一度会いに行くって
君の名前は 三葉
大丈夫 覚えてる
三葉
三葉
三葉
名前は三葉
君の名前は
お前は
誰だ?
俺は どうしてここに来た?
あいつに あいつに会うために来た
助けるために来た
生きていて欲しかった
誰だ?
誰?
誰に会いに来た
大事な人
忘れたくない人
忘れちゃ駄目な人
誰だ?
誰だ?
誰だ?
誰だ?
名前は?
♪ まだこの世界は ♪
♪ 僕を飼いならしていたいみたいな ♪
♪ 望み通りだろう? ♪
♪ 美しくもがくよ ♪
瀧君
瀧君
♪ 互いの砂時計 ♪
瀧君
大丈夫 覚えてる
♪ 眺めながらキスをしようよ ♪
絕對に忘れない
瀧君
瀧君
♪ 『さよなら』から一番 遠い 場所で待ち合わせよう ♪
君の名前は 瀧君
テッシー
三葉
お前今までどこに
自転車壊しちゃって ごめんやって
♪ 辞書にある言葉で 出来上がった世界を憎んだ ♪
誰が
私が
後で全部説明してもらうでな
♪ 万華鏡の中で ♪
八月のある朝
落ちるんか?あれが? マジで?
落ちる この眼で見たの
♪ 君は僕の前で ♪
見たってか
♪ ハニかんでは澄ましてみせた ♪
じゃあ やるしかないなぁ
これで 二人仲良く犯罪者や
♪ この世界の教科書の ような笑顔で ♪
え 私 ホントにやるん?
町が停電したら すぐに非常用電源に切り替わるはずやから
したら放送機器も使えるで
サヤちん お願い
できるだけ放送を繰り返して
ははは やったれやぁ
もうヤケや
♪ ついに時はきた ♪
♪ 昨日までは序章の序章で ♪
そろそろかなあ
んなもん適当や
♪ 飛ばし読みでいいから ♪
♪ ここからが僕だよ ♪
♪ 経験と知識と ♪
今のなに
♪ カビの生えかかった勇気を持って ♪
なあ あそこ
♪ 未だかつてないスピードで ♪
♪ 君のもとへダイブを ♪
♪ まどろみの中で 生温いコーラに ♪
♪ ここでないどこかを 夢見たよ ♪
♪ 教室の窓の外に ♪
♪ 電車に揺られ 運ばれる朝に ♪
なあ 見て
こちらは 糸守町役場です
変電所で 爆発事故が発生しました
事故やって?
爆発?
さらなる爆発と 山火事の危険性があります
次の地域の人は 今すぐ 糸守高校まで避難してください
門上り地区 坂上地区
避難しろやって
おい 行くぞ
ここからの放送じゃないだと
誰が喋ってるだ
宮守地区
どこまで行くの
親沢地区
行くぞ 三葉
うん
とと…
テッシー
みんな逃げろ 山火事になっとる
山火事です 逃げてください
逃げろ 火事や
皆さん 危険です 逃げてください
逃げろ
こりゃとても間に合わん
三葉
どうした
あの人の
あの人の名前が 思い出せんの
知るか アホう
これはお前が始めたことや
消防を出してもらわんととても避難させきれん
行って 親父さんを説得してこい
困ったもんや
また?
爆発?
みんな逃げろ 高校まで行くんや
あら 三葉ちゃん
こんな田舎で テロなわけあらすけ
中電は何と言っとんや
まだ調査中やと
今のところ 山火事は無いんだな
確かか?
よし
この放送を早く止めろ
発信元はまだわからんのか
町長 今 高山のセンサ局から
高校だと?
繰り返します 次の地域の人は
今すぐ糸守高校まで…はあ
お前なにしとるんや
すぐに切りなさい
サヤちん
っやべえぇ
なんちゅうことしてくれたんや 名取
こちらは糸守町役場です
ただいま事故状況を確認しています
町民の皆様は慌てず その場で 待機して指示をお待ちください
家にいろって
どうなっとんや
結局待機か
いや ちょっと皆 逃げた方がええんやって
高校が避難所になっとるで
克彥!
お前 何やっとるんや
すまん 三葉
ここまでや
マジで
割れとる
見て
わあ
ごらんください
彗星が2つに分裂し 無数の流星が発生しています
これは事前の予報にはありませんでしたね
しかし非常に幻想的な眺めです
彗星の核が割れたということでしょうしか?
潮汐力は影響を及ぼさない…
ロシュ限界は超えていないははずですから 考えられるのは彗星内部でなんらかの異変が発生し…
過去の事例では1994年にシューメーかー·レヴィ彗星が木星に落下
その際には少なくとも二十一個の破片に分裂したことが
俺 ちょっと見てくる
危險性はないんでしょうか
恐らく地表に到達する前に融解してしまうと思われますが
仮にこれが隕石となった場合でも 確率的には人間の居住地域に落下する可能性は非常に低く
現時点での破片の軌道が予測は難しい…
これほど壮麗な天体現象を目撃していること また 日本がちょうど夜の時間帯であることは
この様な現象を まさに肉眼で目撃していることは
この時代に生きる私たちにとっての 大変な幸運と言えべきでしょう
ねえ あなたは 誰?
誰?
誰?
あの人は誰?
大事な人
忘れちゃ駄目な人
忘れたくなかった人
誰?
誰?
君は誰?
君の名前は?
♪ 愛し方さえも ♪
♪ 君の匂いがした ♪
♪ 歩き方さえも ♪
♪ その笑い声がした ♪
♪ いつか消えてなくなる 君のすべてを ♪
これじゃあ 名前 分かんないよ
♪ この眼に焼き付けておくことは ♪
♪ もう権利なんかじゃない ♪
♪ 義務だと思うんだ ♪
お父さん
三葉
お姉ちゃん
お前までまた…
それは まるで夢の景色の様に
ただひたすらに 美しい眺めだった
♪ 運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を ♪
♪ 伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする ♪
♪ 時計の針も二人を 横目に見ながら進む ♪
♪ そんな世界を二人で ♪
♪ 一生 いや、何章でも ♪
♪ 生き抜いていこう ♪
ドアが閉まります ご注意ください
ずっと何かを探している
いつからか
そんな気持ちに取り憑かれている
御社を志望いたしました理由は
人が生活している風景が
街の風景を自分の手で
東京だって いつ消えてしまうかわからないと思うんです
だから
記憶の中でも なんて言うか
人を温め続けてくれるような風景を
面接 今日で何社目?
数えてねえよ
受かる気がしないな
お前が言うな
スーツが似合わなすぎだからじゃね
似たようなモンじゃねえか
俺 内定2社
俺 8社
探しているのが 誰か なのか
どこか なのか
それともただ単位就職先なのか
自分でもよく分からない
就活中だねえ?
だいぶ手こずってますけど
スーツが似合ってないからじゃない?
そんなに似合ってないすか
今日は急にどうしたんすか
仕事でこっちまできたから
久しぶりに瀧君の顔見ておこうと思って
私たち いつか糸守まで行ったことあったよね
あれで瀧君がまだ高校生だったから…
5年前
そんなに
なんだか 色々と忘れちゃったな
あの頃のことは
俺も もう あまりよく覚えていない
喧嘩でもしたのか
司と先輩とは 別々に東京に戻ったこと
どこかの山で 1人夜を明かしたこと
記憶はその程度だ
ただ あの彗星をめぐって起きた出来事に
一時期 俺は妙に心を引かれていた
彗星の片割れが一つ町を破壊した大災害
しかし町の住民のほとんどが 奇跡的に無事だった
その日 偶然にも町を挙げての避難訓練があり
ほとんどの町民が 被害範囲の外にいたというのだ
あまりの偶然と幸運に 様々な噂がささやかれた
そういう記事を随分熱心に あの頃 俺は読んでいた
一体 何がそれほど気になっていたのか
自分でも もう理由はよく分からない
あの町に 知り合いがいたわけでもないのに
今日はありがとう ここまででいいよ
君も いつかちゃんっと 幸せになりなさい
ずっと何かを 誰かを 探しているよう気がする
やっぱりもう一回 ブライダルフェア行っときたいな
どこも似たようなもんやったやろ
神前式もいいかなって
お前 チャペルが夢やって言っとったに
それから テッシーさあ
式までにヒゲ剃ってよね
私も3キロ瘦せてあげるでさ
ケーキ食いながら言うか
明日から本気出すの
ありがとうございました
今はもうない町の風景に
なぜこれほど心を締めつけるのだろう
♪ もう少しだけでいい あと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけでいいから ♪
♪ もう少しだけでいい あと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけ くっついていようか ♪
♪ もう少しだけでいい あと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけでいいから ♪
♪ もう少しだけでいい あと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけくっついていようよ ♪
♪ ずっと誰がを ♪
♪ 誰がを ♪
♪ 探していた! ♪
♪ 僕らタイムフライヤー 時を駆け上がるクライマー ♪
♪ 時のかくれんぼ はぐれっこはもういやなんだ ♪
♪ 離したりしないよ 二度と離しはしないよ ♪
♪ やっとこの手が 君に追いついたんだよ ♪
♪ あ ♪
♪ 君は派手なクライヤー その涙 止めてみたいな ♪
♪ だけど 君は拒んだ 零れるままの涙を見てわかった ♪
♪ 嬉しくて泣くのは 悲しくて 笑うのは ♪
♪ 君の心が 君を追い越したんだよ ♪
君の名前は…?
君 の 名 は。
♪ 二人の間 通り過ぎた風は ♪
♪ どこから寂しさを運んできたの ♪
♪ 泣いたりしたそのあとの空は ♪
映画オリジナル/脚本家/監督 新海誠/しんかいまこと / Shinkai Makoto
♪ やけに透き通っていたりしたんだ ♪
♪ いつもは尖ってた父の言葉が ♪
♪ 今日は暖かく感じました ♪
♪ 優しさも笑顔も夢の語り方も ♪
♪ 知らなくて全部君を真似たよ ♪
♪ もう少しだけでいいあと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけでいいから ♪
♪ もう少しだけでいいあと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけくっついていようか ♪
♪ 僕らタイムフライヤー ♪♪ 時を駆け上がるクライマー ♪
♪ 時のかくれんぼ ♪♪ はぐれっこはもういやなんだ ♪
♪ 嬉しくて泣くのは悲しくて笑うのは ♪
♪ 君の心が君を追い越したんだよ ♪
♪ 星にまで願って手にいれたオモチャも ♪
♪ 部屋の隅っこに今転がってる ♪
♪ 叶えたい夢も今日で100個できたよ ♪
♪ たった一つといつか交換こしよう ♪
♪ いつもは喋らないあの子に今日は ♪
♪ 放課後﹃また明日﹄と声をかけた ♪
♪ 慣れないこともたまにならいいね ♪
♪ 特にあなたが隣にいたら ♪
♪ もう少しだけでいいあと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけでいいから ♪
♪ もう少しだけでいいあと少しだけでいい ♪
♪ もう少しだけくっついていようよ ♪
♪ 僕らタイムフライヤー君を知っていたんだ ♪
♪ 僕が僕の名前を覚えるよりずっと前に ♪
♪ 君のいない世界にも ♪♪ 何かの意味はきっとあって ♪
♪ でも君のいない世界など ♪♪ 夏休みのない八月のよう ♪
♪ 君のいない世界など ♪♪ 笑うことないサンタのよう ♪
♪ 君のいない世界など ♪
♪ 僕らタイムフライヤー ♪♪ 時を駆け上がるクライマー ♪
♪ 時のかくれんぼ ♪はぐれっこはもういやなんだ
♪ なんでもないややっぱりなんでもないや ♪
♪ 今から行くよ ♪
♪ 僕らタイムフライヤー ♪♪ 時を駆け上がるクライマー ♪
♪ 時のかくれんぼ ♪♪ はぐれっこはもういいよ ♪
♪ 君は派手なクライヤー ♪♪ その涙止めてみたいな ♪
♪ だけど君は拒んだ ♪♪ 零れるままの涙を見てわかった ♪
♪ 嬉しくて泣くのは悲しくて笑うのは ♪
♪ 僕の心が僕を追い越したんだよ ♪